菊地金粉製作所
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 ◆所在地/大町1丁目3-36
 ■建築物等の概要
 ●所有者 菊地清
 ●建築年 昭和11年
 ●構 造 木造
 ●階 数 2
 ●設計者 不明
 ●施 工 山岸幸吉

●街なみ・建築物等の由来●

 建築当初より家業のための応接室や接客の間として建築されたものではなく、居住者自らの居間・和室として建てられた。約3年間の工事期間を要しており、趣味の建物といった感が強く感じられる。聞くところによると、飯盛山のさざえ堂を手掛けた大工の弟子だった方の設計とのことであり、要所にその力量が伺える。現在は冬は寒くて使えないことや、金箔保護の意味からも夏場、親戚の方の宿泊程度にしか利用していないそうで、そのことが石油ストーブの煤などによる汚れ防止対策になっているようである。

●街なみ・建築物等の特徴●

 寄棟瓦屋根の2階建て木造建物で外部の黒壁が大変に印象的である。古い蔵との接続があり増築の形態がとられた事が伺える。構造は木造の土蔵造であるが、外壁面には隅及び中央に柱型、それを継ぐように軒桁、胴差が型造られている。また壁面には角溝型の横目地が施され腰部はタイル貼となっており、若松市内の建物としては特異な姿をしている。外観で特筆すべきところは以上のように思われるが、内部1階には居間として使用した洋間があり、2階には同様の洋間と和室2間が設けられている。室内は家業の金箔を使用した襖や天井があっさりと仕上げられ、洋間の化粧天井との比較が対照的に感じられる。特に和室には菊の間、松の間があり襖に合わせた衝立や金箔のきらびやかさを押さえるために、絹を重ね貼りした市松金箔の格子天井は、さすがに3年の工事期間を物語る。


図面リスト
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1.立面図